家屋をリフォームした場合、大なり小なり、家屋のイメージはリフォーム前とは異なります。明るくなったり、落ち着いた雰囲気になったり様々です。

なかでも、リビングは、家族全員が集まる場所ですし、間取りも最も広くとられている場合がほとんどです。したがって、リビングのリフォームは家屋に与える印象が最も大きくなるといえます。リフォームが完成してから「最初に思い描いていたのと違う」「こんなはずじゃなかった」とはなりたくないですよね。

そこでこの記事ではリビングのリフォームを取り掛かる前に押さえておくべきポイント、リビングリフォームの具体例を紹介していきます。

リフォームする上で押さえておきたいポイント

まず、どんなリビングにリフォームするにせよ、押さえておきたい基礎となるポイントについて紹介します。このポイントはあらゆるリフォームに応用できますので是非覚えておいてくださいね。

■照明について
照明はリビングの印象を決定付ける重要な設備です。配置が重要になります。オーソドックスな配置は、天井中央にメインとなる照明を。そして隅の方にダウンライトを配置するというものです。

この配置は部屋全体を満遍なく照らすことができます。もう少し、趣を出したいと思う場合、間接照明や床置き照明を用いるのも良いでしょう。その際、問題となるのがコンセントの位置です。あまり高いとコードが不自然に伸びてしまいます。
ですから、リビングのリフォームの際には照明を有効に使えるようコンセントの位置に留意することが重要です。

また、天井に梁(はり)がある場合、その位置に小さな照明を設置するのも和室スタイル、洋室スタイルともにおしゃれです。

■リビングの色や、主な素材について
色もリビングのイメージを決める大きな要素です。明るい色、落ち着いた色、色々なイメージがあります。ここで重要なのは、「どこに自分が求めている色を配置するか」です。つまり、一番目に付くところに、自分が希望する色を配置することで、自分が思い描いているリビングのイメージが決まるのです。具体的には、壁紙、カーテンというリビングの大部分を占める部分、また、ソファや、キャビネットなど、大きな家具の色も、リビングのイメージに大きな影響を及ぼします。

リビングを洋風にするにせよ、和風にするにせよ、色はリビングの方向性を出すうえで重要です。色の選択を誤ると自分が思い描いていたリビングのイメージからかけ離れたものになってしまいます。ですから、部屋のイメージと、家具や壁の色は常にセットで考えましょう。

また、リビングを構成する主な素材も重要です。例えば、和モダンを目指しているのに、コンクリートの素材を中心に部屋を構成してしまってはちぐはぐになってしまいます。和モダンにするなら木材を用い、暖かみのある構成にした方が良いでしょう。コンクリートはあくまでアクセントとして用いてください。

リビングリフォームの具体例

それでは、リビングリフォームの具体例をいくつか紹介していきます。それぞれコンセプトやリビングの素材が異なる例を用意しましたので、是非とも参考にしてください。

■木材を多く用いた洋風リビング
まず紹介するのは洋風リビングです。洋風リビングとなると、モダンなイメージです。確かにそうなのですが、近年は、木材を多く用いた洋風リビングが人気です。これなら、和室からリフォームする際、柱や天井の梁など、多くの素材をそのまま活かせるからです。

床も畳から無垢材のフローリングにします。そうすることで暖かみのある雰囲気を出せるのです。家具も、クリーム色等ナチュラルな自然色を採用することで部屋との統一感を出せます。より落ち着いた雰囲気になるでしょう。

フローリングに使用する無垢材も、漫然と選ぶのではなく、洋風リビングに合った素材にしましょう。例えば、ウォルナットの床は落ち着いた雰囲気になります。少し明るい感じを出したいのであればアメリカンハードメイプルがおススメです。

洋風リビングにリフォームするなら天井もこだわりたいものです。無地の壁紙を用いてもいいのですが、構造上可能であれば、吹き抜けや、天井を高くすることでより開放感を出すことができます。森の中で樹木を見上げるような感じになり、とても落ち着くんです。

照明も洋風リビングに合わせましょう。白よりも暖かみのある黄色の方が木材を主体としたリビングに合っています。それに、黄色の照明の方が白に比べてより高さや奥行きを感じやすくなる視覚効果があるんですよ。

洋風リビングを和室の良いところをハイブリッドした和モダンリビングも近年とても人気を博しています。和モダンを上手く想像できない人もいるでしょう。例えば、旅館は、和風建築ですが、部屋によっては和の雰囲気をそのままに、ベッドを置いても違和感のない部屋があるでしょう。和モダンとは、まさにそのような造りの部屋のことです。

洋風の機能性を取り入れながら、障子や畳はそのままにして和の雰囲気を残している作りが和モダンの大きな特徴となっています。畳と障子以外の特徴としては、木材をふんだんに用いている点です。例えば、隣室との境界も、単にボードで仕切るのではなく、木製の格子で仕切ることで木の温かみを家全体に漂わせることができます。

和モダンは機能性のみならず、和風の落ち着き感と、洋風リビングにない斬新さ、新鮮さの両方を兼ね備えているので、和室に慣れ親しんだお年寄りも落ち着いてくつろぐことができますし、洋風になれた若い世代も新鮮な気分になれます。隔たる世代を結びつけることができるのも和モダンの特徴です。