ポイント1:物件の築年数

築年数が古くなればなるほど価格は下がると考えがちですが、実際の状況は少し異なります。

東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」では、首都圏において2018年に成約した中古マンションを築年数別に分析しています。
 
この結果を見ると、築15〜20年の物件と比べて築20年以上の物件ではm2単価が約27%下落しますが、築25年を超えると約23%の下落に落ち着きます。さらに築30年を超えると、むしろ上昇傾向が見られるのです。
 
つまり、築20年以上経過した物件は、価格が下落しにくい傾向にあるということです。中古物件を購入する際には、築20年を一つの基準として築年数に注目してみると良いでしょう。

ポイント2:耐震性

築年数に注目すると良いとお伝えしましたが、古い物件になると耐震性が確保されているか見極める必要もあります。

耐震性を判断する上で目安になるのが、1981年6月以降に建築確認が行われた物件かどうかということです。1981年6月以降に建築確認が行われていれば「新耐震基準」が適用されています。一方で、1981年5月以前に建築確認が行われている場合は「旧耐震基準」の建物です。

新耐震基準では震度6強〜7程度の揺れに耐えられる構造が求められるのに対し、旧耐震基準では震度5強程度の揺れに耐えられる構造が求められています。よって、旧耐震基準の場合は耐震性に問題ありの可能性があるのです。
 
(参考:R.E.words不動産用語集「新耐震基準」

もし、検討中の物件が旧耐震基準だった場合、耐震診断が過去に行われているか確認しましょう。診断が行われていて耐震工事実施済み、または直近で工事の予定があるということであれば、検討を進めても問題ありません。

ポイント3:共用部や見えない設備に注意!

内見する際に部屋の内装だけでなく、共用部や見えない設備の状況もチェックすることです。

共用部はリノベーションできない
マンションにおいて、エントランス、廊下、ゴミ捨て場、メールボックスなどの共用部は当然リノベーションできません。
そのため、共用施設の管理状況も重要なチェックポイントです。管理が正しく機能しているかどうかや、住民のマナーが良いのかどうかという視点で確認しておきましょう。
 
配管の老朽化は危険
内見時、配管や天井裏・床下など見えない設備もできる限り確認しておくと良いでしょう。
特に水回りの給排水管は老朽化しやすく、大きなトラブルにつながりやすい場所です。漏水の危険性がないか、排水管から悪臭が上がってこないかどうか、といった点は要チェックです。

管理費や修繕積立金の滞納がないか
設備上の問題の他、管理費や修繕積立金の納入状況を確認しておくのもオススメです。中古マンションの場合、近い将来に大規模修繕が必要になる可能性もあります。

住民の管理費や修繕積立金に滞納があると、費用不足で修繕不能に陥る危険性があるのです。そのため、できれば仲介業者を通じて事前に確認しておくと安心ですね。

ポイント4:構造や管理規約に注意!

建物構造や管理規約を確認しておくことです。これはリノベーションプランに大きく関わるものなので、しっかりチェックしましょう。
 
構造によってはリノベに制限がかかる
マンションの建築構造は大きく分けて、「ラーメン構造」「壁式構造」があります。
ラーメン構造とは、柱や梁を接合して形作った大きな「枠」で建物を支える構造のことです。部屋内の壁を取り除いても構造上問題がないため、比較的自由に間取りを変更できるのがメリットです。ただし、太い柱や梁が部屋に現れてしまうという問題があります。